Hypomyces microspermus Rogerson & Samuels, Mycologia 81: 426, 1989.   

Anamorph: Sepedonium cf. chrysospermum

寄主上の子実体形成菌糸層は黄色(yellow, 5Y7/10),灰黄色(5Y8/2)から暗緑黄色(olive yellow, 5Y7/8),寄主全面を覆う;子実体形成菌糸層を構成する菌糸は幅4-5.5(-9.5) μm,柔軟組織状,有隔壁,厚壁,KOH(-).子嚢殻は黄色(5Y8/14)から鈍黄色(10YR7/10),楕円から広楕円形,178-198(-257)×(171-)178-205(-224) μm,子実体形成菌糸層に半ば埋没して群生する;子嚢殻基部は円錐状,(43-)53-73×63-79(-106) μm.子嚢は円筒形,(64-)65.5-83(-99)×3-5(-5.5) μm,8胞子性,長さ(5.5-)9.5-11(-19) μmの柄を有し,上部に孔口を生じ,肥厚した先端構造 (厚さ (0.5-)1-1.5 μm,長さ2-2.5(-3) μm) を有する.子嚢胞子は無色,紡錘形,基部付近に隔壁を有し,2細胞性,(9-)11.5-13×3-3.5(-5) μm,表面は平滑または直径0.5 μm以下の疣状突起を有し,両端は突状(長さ0.5 μmまで,先端は鋭角);発芽時に側面表層部がわずかに膨張し,その一端から菌糸を生じる.
MEA25oC7日間の培養でコロニーは直径37-50 mm,綿毛状,表面は黄色(5Y8/8),黄色(5Y8/14)から橙色(10YR8/10),菌叢は培地表面から高さ0.5 mmに達し,カビ臭;中央は菌糸が密生し粉状;周縁は薄く,緩い鋸歯状;裏面は黄色(5Y8/8)から黄色(5Y8/14); PDA上のコロニー発育はMEAと同様,裏面は黄色(5Y8/8)から橙色(10YR8/10),菌糸層は密生し分生子を多数形成する; OA上のコロニーは,菌糸層が密生,周縁に同心円状の環を数層形成,厚壁胞子を多数形成する.培養下の菌糸は無色または薄黄色(5Y9/2),幅3-5(-6.5) μm,有隔壁,厚壁.分生子柄が気菌糸上に形成され,有隔壁,やや厚壁,不規則に2-3回分岐し,3-5 μm,先端に分生子形成細胞を生じる.分生子形成細胞は分生子柄側面または先端から分岐し,単生または2分枝し,無色,27-51(-80)×2.5-3.5(-5) μm,先端は多少錐形(幅(1-)2-2.5 μm)で次第に細くなり,分生子を集塊する.分生子は無色, 無隔壁,楕円から長楕円,円筒形,薄壁で平滑(7-)9-13(-17)×(2-)3-5 μm.厚壁胞子は菌糸に側生,または分枝の先端に形成され,黄色(5Y8/8)から黄色(5Y8/14),亜球形,幅 (9.5-)11-14 μm,疣状突起(直径1-1.5 μm) を生じる.

供試材料:アワタケ属Xerocomus sp.子実体上
引用文献

常盤俊之・奥田徹 (2009) 日本産Hypomyces およびそのアナモルフ IV. 日菌報 50: 94?103.

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